膣ケア施術のプロに聞く! 膣ほぐしって? 私が膣ほぐしを始めた訳

文章を書く事は私の自己表現の1つである。8年前から私は、ブログというものをネット上に気ままに書いているのだが、今回は人生で初めての寄稿文となる。

その為にまずは私の事を紹介しておこうと思う。私はセラピストとして生計をたてており、「膣ほぐし」という施術をしている。この施術は2018年に始めた。セラピストとしてのキャリアは2009年からなので、14年目になる。「膣ほぐし??何それ!」と思われる方も多い事だろう。名前の通り、膣をほぐす事である。今は調べると色んなセラピストが同様の事をやっているので少しずつメジャーになってきてはいる。しかし、私がこの構想を思いついた2017年の6年前は、公にやっている人は誰もいなかった。

そう、私が日本では一番初めに「膣ほぐし」を公に始めた人と言っても良さそうだ。(こういうのは、先に言っておかないと違う人に言われる笑)

今回の記事では、私と「膣ほぐし」の出会い。そして、この施術をやる事になった理由を書いていこうと思う。

性交痛、セックスレス

もともと私は、性に対してのブロックも強かった。29歳の時に結婚していたものの、若い頃から性経験も殆どないまま気付いたら30代半ばも超えていた。

というのも私は昔から性交痛があり、挿入が痛い。夫自体も性欲がそんなに無いタイプな為に、行為は結婚当初から自然と殆ど無かった。夫とは、とても仲が良く、幸せな生活だったけれども。圧倒的にSEXだけが足りていなかった。

大きな転機だったのは、37歳の時に受けた子宮頸がん検診で、再検査になった事だった。その再検査通知を見ながら「万一私はこのまま癌になったら、自分の人生に悔いが残る」と焦燥感に駆られた。

そして夫と性とちゃんと向き合う事にし、すごく勇気を持って手紙を書いて、話をした。

話し合いの結果、2人の間に性を取り戻していくのは今の所難しい事、そして、私の性に関しての部分は手放してもらう事(自由にさせてもらう)を決めた。

本来は、2人でSEXに取り組むのが一番だけれども、結婚生活を維持する為にはこれが一番だと私達夫婦の選択だった。

性感マッサージを受ける

「性に対して手放してもらう」と言っても、そんなに簡単に相手が見つかる訳でもないし、そもそも私の性交痛が治ってるのかも分からない。(というか何もしていないから、治っている訳がない)

意を決して、大人のおもちゃのバイブを購入した。とりあえず、使ってみたものの。やっぱり痛くて入れる事は出来なかった。意気消沈。

そして、一旦膣の事はおいておいて。性的に満足出来るようなマッサージを受けてみようと思った。とはいえ、今でこそこのサイトの様に安全要素が高い女性用風俗の紹介している記事は見つからなかった。6年前はまだ女性用風俗というものがそこまで公では無かった為、どんな所に行ったら良いか分からず。

色々調べた結果、普通のマッサージがメインで、女性ホルモンが上がるというような(ハッキリと性感と書いていない)男性がやっているサロンに行くことにした。

今考えると、普通の部屋でその様な施術を異性がやるのは風営法違反に当たる。だから、詳細を書くのは省かせてもらうけれども、その施術に心から満足したし、勇気を出して行って良かったと思った。むしろ命を救われた様な気がする。

この施術を受けた次の日に、自分も性に関する施術をしたいと思った。

余談だけど、女性用風俗のキャストさんは、女性の人生を変えるほどの大きな事になり得るという事を心に留めておいた方が良いし、「膣ほぐし」を生業にしている私も同じく。現に私に会って人生が変わったという女性が沢山いる。

心と身体は繋がっている

性に関する施術をしたいと決めた37歳の頃。私はすでにボディセラピストとしてのキャリアが10年近くあった。

それまでは、全く独立志向ではなく、雇われ店長をしながら緩く生活出来ていれば良いかなという感じだったけれども、独立に向けて動き出す事にした。

それからは、宇宙に応援されているかの様に色んな事が動き、当時働いていた店が、私を指名してくださるお客様が物件を持っていたので、あり得ないような破格で施術に使える部屋を借りる事が出来た。

そして、法律についても調べた。今の所、女性同士は風営法の規制はなく、医師法あはき法なども治療目的でなければ大丈夫のようだ。

そして、一番問題の施術については、友人で理解のありそうな女性にお願いして「私さぁ、性感マッサージやろうと思うんだけど練習させてくれない?」と頼んだ。「え~!!!!」と難色を示されたけれども、私の熱意に押されて練習させてもらった。

その当時の私は、性に対しての知識が皆無だったので、女性はクリトリスを触ると誰でも気持ち良くなれると本気で勘違いしていた。
私が「膣ほぐし」をしているというと、男性は8割方、「それは女性は気持ち良くなっちゃうよね」って言ってくるけど全く違う。

女性の身体は性的スイッチが入っていないと、どこを触ろうとも気持ち良くはならない。
練習に付き合ってくれた友人も女性に性器を触られたのは初めてで、何も感じない事に彼女も驚いていた。もちろん不感症ではない。
むしろ彼女の方から「手だけじゃなくて、舐めるとかいれたらどう?」と言われたけど「流石にそれは抵抗ある」と答えて、性感路線は諦めた。

女性である私も彼女も、自分の身体の事を全く分かっていなかったし、心がついていないとテクニック(私はテク0だったけど)だけでは、女性を濡らす事もましてやイかせる事なんて到底無理だと知った。

柔らかくなった膣

性感マッサージを私がやるのは無理だと分かったけれども、どうしても性に関する内容を施術に含ませたかった。
そこで思いついたのは、性感を介せずに膣をほぐすというもの。

丁度2017年は、「ちつのトリセツ」という助産師のたつのゆりこ先生が監修した本で、本の内容によると膣のオイルケアは・アンチエイジングになる・冷え性、臭い、黒ずみ・生理痛、性交痛、膣萎縮、骨盤底筋下垂などなどの効果があるという事だ。これをヒントに施術を組み立てた。本を読んでから、私自身も膣のオイルケアを熱心にやった。始めは硬かった膣が日を追うごとに柔らかくなり、ついには購入したバイブレーターも入る様になった。

こんなに簡単に柔らかくなるならば、膣ケアについて20代の頃に知りたかったと思った。膣ケアによって、私の肌質も変わってきた。私が考えた施術は絶対に需要があると確信した。

終わりに

これが「膣ほぐし」の構想が始まった頃の話です。

「膣の施術をする」今ではそんなに珍しい事ではなくなってきましたが、当時私がやろうと決めた時は、「膣をほぐす」なんて日本ではタブー感が強く、やろうと決めた私でさえ、周りから人がいなくなることを覚悟しましたし、もう捨て身になるしかないと腹を括りました。

匿名でやる選択肢はなく、これは絶対に実名顔出しでやるってそれも決めました。

なぜそこまでしてやるのかと言われれば、私にも分からないのですが、自分はこれをやるしかないと思ったのです。かつて誰にも相談出来ずに性に悩んでいた私が(こういうサロンがあったら良いな)という場所、私が私を救うために出来たサロンが「月と樹」です。

今回は、「膣ほぐし」構想やオープンまでの秘話を書いてみましたが、その後、膣の師匠との出会いや、膣の施術をやっていたが為に、引っ越さざるを得なくなった話などなど。まだまだ沢山ありますので、こちらで月1ほど書かせて頂こうと思います。

三樹 菜緒子

膣ほぐしのサロン『月と樹』オーナーセラピスト。日本で一番に膣の施術を公に始めた人。のべ1000人ほどの膣ほぐしをしてきたプロのセラピスト。

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